黒龍 ・ 九頭龍
黒龍酒造 福井県吉田郡永平寺町松岡春日1−38
今日客をお迎えする茶会は生涯この一回の他にあらずとは茶道の教え
一本一本の酒造りにも一期一会の心を持つ、これが黒龍の信条
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黒龍 200年の歩み 創業文化元年(1804)、初代蔵元 石田屋二左衛門以来、手造りの日本酒を追求して来た。水質に優れた土地柄や、 松岡藩が奨励したこともあり全盛期には16を数えた酒蔵も、今となっては石田屋の屋号を持つ黒龍酒造と他に一軒のみ。 これは伝統文化である日本酒造りを頑なまでに守り続けた結果である。昭和40年代の後半、大量生産大量消費の大波は酒造業界にも 押し寄せ、アルコールや糖を加える効率のみを追求した酒造りが主流となっていった。そんな風潮に背を向けさせたのが先代の残した 『よい酒を造れ』というシンプルな言葉。ヤミ米を用いてまで酒を仕込むほど、自身が納得のいく酒造りを執念を燃やしたその姿だった。 水野氏は同じ醸造酒としてのワインに深い興味を抱き、フランスやドイツを歴訪。ワイン同様に日本酒を熟成できないかと試行錯誤を続ける 一方で少量で高品質な酒造りだけを追求し続けていった。そんな紆余屈折の末生まれたのが大吟醸『龍』。市販ベースにはなり得ないという 酒造業界の常識を覆し、全国に先駆けての大吟醸酒の商品化であった。そして当時、1升5000円という高価さでも話題を呼んだ。 また日本酒をワインのように冷やして楽しむスタイルは、今でこそ常識となり、昔ながらの燗で楽しむ方法と人気を二分するまでになっている。 この『冷酒』の分野を提唱した草分け的存在も黒龍酒造。 大吟醸や冷酒というスタイルは、愛飲家を中心に話題を呼び、静かに広がっていった。そして近年の大ブームについては御存知の通りである。 『当社の酒は、日々口にするというよりは、お客様それぞれがお持ちになる大切な時を、より素敵に演出するためのものだと思っています』と 社長の水野直人氏。 思えば酒は古来より、ハレの日のためのもの。日頃、農作に励む人々が数少ない祝祭の場で口にしたものであった。そんな伝統的な文化で ある日本酒の良質な部分をも守り続ける。そして、そんな姿勢に強い共感を示す若手の蔵人たち。 『お客様に感動して頂ける物造りへの情熱、探究心は今後も止むことなく私たちの中に培われていきます。そして、お客様と感動を共に 分かち合えるような酒造りを目指し邁進して参ります』。この姿勢、たゆまぬ努力が、 県内のみならず日本中の愛飲家たちを虜にしてしまう所以だろう。 |